Taichi Nishishita
Architect & Associates
Blog

建主さんより|西石井の家

2019.04.03

西石井の家の建主さんより。

-

4月に入り朝のテラスが気持ちいいです。植栽も成長していい感じになってきました。次の作品が楽しみですね。頑張ってください。家の前を通ることがあれば、気軽に声かけてくださいね。

-

嬉しいメッセージと共に写真がいくつか。デッキにテーブルを出して朝のコーヒーでしょうか。羨ましい限りです。

宮城県塩竈市

2019.03.03

宮城県塩竈市の方から設計のご相談を受けています。あまりに自分の想像の外側にある出来事で最初は正直、戸惑いましたが、お話を伺うにつれ、非常に前向きに依頼を検討してくださっている様子が伝わり、私も心が固まりました。この人のために一生懸命取り組もうと。

愛媛と宮城。思いもよらないご縁が生まれそうです。こんなに遠く離れた地のまだまだ駆け出しの若い私に想いを寄せてくださり、心が燃えない訳がありません。

目的と手段

2019.02.14

昨日の投稿の続きです。

例えば、ご要望のなかには「屋上緑化」がありました。しかし、私はあえて屋上緑化を計画には取り入れませんでした。要望を鵜呑みにして捉えるなら、これは条件違反です。

しかし、屋上緑化は「目的」ではなく「手段」です。ヒアリングしながら、おそらく目的は「外部との繋がり感」や「ヒューマンなスケール感」なんだろうなと感じていました。その目的をかなえる手段は必ずしも屋上緑化であるとは限りません。

私からの提案は地面に根差した北側の静かな庭です。結果はこれを驚きながら喜んで受け入れて下さいました。

このように一つ一つの要望に対して、お客さんの言葉を鵜呑みにすることなく、本質をとらえ直すことこそ建築家の職能だと思っています。お客さんの要望を仮に100%そのまま具現化したとしても、決してそれはお客さんの100%の満足にはならないのです。

私が初めてのお客さんと面談する際、必ず要望書を書いて来てもらうようにお願いしています。その際、よく「目的と手段」ということをお話させていただきます。

要望というと「子供部屋は何畳で、シューズクロークとパントリーがあって、、、」と具体的なことを書いてしまいがちですが、それはあくまで手段です。目的に焦点を当てて物事を考えていけば、もっと良い別案が生まれる可能性が広がりますよね。

こんな風に建築家との対話を通じて、新たな価値観を築いていく。出来上がる家はもちろんのこと、こういう体験そのものも家づくりの目的の一つに成り得るような気がしています。

建築の魅力

2019.02.13

・・・・・・・・・・

○○建設様の事務所新築計画にあたり、ご提案の機会を頂きましたこと、そしてご提案までに長らくお時間を頂きましたこと、ありがとうございます。

ご提案にあたり、自分が最も大切にしたことが二つあります。それは「建築としての魅力をつくる」ことと「私に求められていることに応える」ことです。

事務所兼作業場ということで解決しないといけない課題や要望など様々あると思います。自社で作成されたプランもありましたので、それらを要望や設計条件として整理するだけで、もしかしたら計画として成り立つかもしれません。しかし、ある種、優等生的に課題を解いたとしても、それでは足りません。

「解く」というスタンスより「建築の魅力」を作り、その力強い魅力で計画を引っ張っていく方が素敵です。そして、○○さんが自社でも設計できるものをあえて外部の私に求められた理由を自問する中で、(住宅を主として設計する)自分らしさをきちんと出していくことこそ求められていることだと考えました。

具体的にはいわゆるビルっぽく、箱っぽい建築ではなく、「ヒューマンな建築」であることを目指しています。それは外観的にも、内観的にも、体感的にもです。

いくらか条件違反を抱えているかもしれませんが、「建築の魅力」で乗り越えられたら幸いです。また、ここで提案したことが全てでなく、ここから対話を重ねながら、計画案が更なる成長を遂げられるよう願っています。

・・・・・・・・・・

ホームパーティー|西石井の家

2019.01.30

昨夜、西石井の家の建主さんにホームパーティーに呼んでいただきました。総勢8名でしたが、程よくリビングに納まり心地よい時間でした。初めましての方も数名いらっしゃり、緊張してしまいましたが、皆さん最年少の私に優しく声をかけて下さり、楽しく過ごせました。

静かな世界

2019.01.18

模型を作っては壊し、スケッチを描いては破り捨て、図面を引いては全て消し、空想に耽っては現実に戻される。幾度も幾度もそれを繰り返し、いつの間にか「成った」図面が出来上がる。これまでの苦労がまるで無駄だったかのように、軽やかに。

家族の風景

2019.01.14

香川に引き続き、昨日も新しく設計のご依頼を頂いているお客さんの土地を見に行かせて頂きました。「稲荷の家」「塩屋の家」を見学に来ていただく中で気持ちを固めて下さったようです。嬉しい限り。ご夫婦・お母さま共、とても品の良いお方で見習いたいです。

これまでたまたま郊外の開けた土地が多かったですが、今回は周囲を建物に囲まれた街中での計画です。どんな敷地であっても、必ず内なる心が開かれていくような空間を作りたいと思っています。内向的でありながら、窮屈でなく、静けさをたたえたような、、、光を内側に包み込むような。漠然とそんなイメージが浮かんでいます。

今日、お客さんとあれこれとお話ししながらふと思ったのは、現在設計中のお客さんも含め、これまでのどの方も、「なんだか、いい夫婦だな」ということ。夫婦間のコミュニケーションが円滑で、いい距離感というか、空気感というか。。。

西下家も良い家族にしていきたいなと改めて思った一日でした。

香川進出

2019.01.13

香川県で設計依頼を頂いている現場へ昨日ようやく行ってきました。ながらくお待たせしてしまっていたにも関わらず、とても快く迎えて頂き感謝。土地と施工をして下さる工務店さんの初訪問でした。一度現地に立ってしまうともう思考が止まりません。どんな家になるか、楽しみですね。

2019|本年もよろしくお願い致します

2019.01.04

明けましておめでとうございます。皆さま穏やかな年末年始を過ごせましたでしょうか?私は家族を連れてレオマワールドに行ってきました。初めての遊園地に娘たちも大喜び。そのはしゃぎっぷりに心癒されました。

「圧倒的な情熱」

今年の私のテーマです。精神論的な表現になってしまいますが、自分の若さと情熱に自信を持ち、謙虚に精一杯駆け抜けたいと思います。

今現在、本当に多くの皆さまから設計のご依頼やご相談を頂いており、数か月お待たせしてしまっている方々もおられます。お声がけ頂けるだけでも本当にありがたいこと。必ず、必ず期待に応えたい。

東京から愛媛に戻り、3年が経ちました。事務所の体制もキチンと整え、関わる皆さまから多くの刺激と学びを得つつ、邁進します。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2018|御礼と振り返り

2018.12.28

あっという間の一年でした。今年も本当に多くのご縁を頂き、満足のいく家づくりができました。支えて下さったすべての方々に御礼申し上げます。

どのプロジェクトにも想い入れがありますが、やはりこの一年はHPを完成させたことが大きな節目になったように思います。特にコンセプト文は何年もかけて練り上げてきた、自分の建築に対する想いを詰め込んだものです。完成したどのプロジェクトも全てこの考えに沿って、作り上げることができましたし、これからの自分の大きな指針になっていきます。強い想いと情熱を込め、熟考に熟考を重ね、できあがっている文章です。

自分の考えをきちんと文章化して、宣言することは私にとってとても大切なこと。しかし、今あえて言うならば、自分の言葉で自分を縛り付けることなく、自由な発想でもっと新しい挑戦を続けていこうとも思っています。一見矛盾しているようですが、これもまた素直な想いです。

年末年始は12/29~1/3でお休みをいただきます。思いっきり駆け抜けてきましたが、一旦クールダウンして、しっかり未来を見据えようと思います。皆さまも素敵な年末年始をお過ごしください。

見学会御礼|晴れを祈っていたけれど・・・

2018.12.23

塩屋の家・完成見学会も無事終了しました。今回も本当に多くの皆さまにご来場いただき、ありがとうございました。初めてお会いする方はもちろんのこと、見学会のリピーターさん、これまでの建主さん、設計中の建主さんもたくさんお越し頂きました。

見学会中は晴れたり、雨が降ったり、変わりやすいお天気でした。見学会中ずっと家にいて改めて気付いたのは雨の日の素晴らしさ。樋無しの軒先から雫が落ちるのを眺めたり、砂利に落ちた雫の弾ける音にじっと耳を澄ませる時間は、とても静かで心が安らぎます。見学会が始まるまでは晴れを祈っていたけれど、雨が降って本当に良かった。晴れ間には土間に射す暖かな木漏れ日が静かに揺れ、これもまた素敵な時間。一日中、心が癒されっぱなしでした。

草木の芽吹く春。静かな緑陰の夏。秋枯れ色の秋。葉が落ち低い高度の日差しの入る冬。
それぞれ楽しみです。

見学に来ていただいた西石井の家の建主さんからは「引っ越して数か月ですが、毎日新鮮な発見があり、住むのが楽しいです。ありがとうございます。」と嬉しいラインを頂きました。この家の建主さんもきっとこれから色んな発見に満ちた毎日を送ってくださることでしょう。

最後に。このような見学会をさせて頂いた建主さんに心より感謝いたします。塩屋の家の建主さんもこれまでの見学会を経て、設計のご依頼を決めて下さった方です。これからも縁を紡いでいけるよう、心豊かで奥行きのある家づくりを続けていきます。引っ越しが落ち着いたころに家族を連れて遊びにいきますね。

大切な心意気

2018.12.01

渡辺武信さんの文章の引用です。

-

ぼくは、たとえインスタント・ラーメンであっても、龍の模様なんかがついた中華丼で食べたいし、一本五百円の安ワインでも、コップではなくて、ワイングラスで飲みたいと思う。そういう風にして、食べたり、飲んだりした方がおいしい、というのは一つの大切な真実ではないだろうか。合理的な考え方からすれば、容器によって味が変わるはずもないのだから、おいしい、と思うぼくは幻影を食べたり飲んだりしているのかも知れない。しかし、そうした幻影を一つ一つ否定していったら、ぼくたちの生活に何が残るだろう。

-

建築においても、何も豪華である必要なんて無くて、「本物って何だろう?」とか「楽しさ・豊かさに向き合おう」という心意気が大切なのだと思う。