雲石窯竣工|ショップのプレオープン
2026.03.09
先日、砥部焼の窯元「雲石窯」の
工房兼ショップが無事完成し、
クライエントへのお引渡しを終えました。
外壁は巾広の焼杉、入口の軒天や
ショップエリアの天井は杉の小幅。
コーナーの出窓はこの建物の顔になるので、
製作でこだわって仕上げました。
道路からは、黒々とした焼杉の外壁に
高く伸びた煙突、
ショップエリアの窓辺に並べられた
砥部焼がちらりと見え、
奥へと誘いこまれるような
雰囲気となるよう計画しました。
大正時代に開窯されたという「雲石窯」。
前面道路の道路巾拡張工事のため、
先代から受け継いできた
窯場の移転を余儀なくされたことが、
私たちへのご依頼のきっかけでした。
陶芸の作業環境やさまざまな
道具・機械類について、
専門的な知識を要した窯場の設計。
クライアントには陶芸にまつわる
ヒアリングのお時間をたくさんいただいたほか、
道路拡張工事のスケジュールにも間に合うよう、
現場の方々にも沢山ご協力頂きました。
クライアント、現場監督さん、
職人の方々の力がなければ
達成できないプロジェクトでした。
長く続いてきた歴史ある窯元の歩みを止めず、
皆で一緒にその先へと繋いだような、
そんな達成感のあるプロジェクト
だったなと振り返ります。
ショップのプレオープンの日、
器を使うシーンをあれこれと想像しながら
心の向くままに好きな柄を
選ぶ時間が幸せでした。
サイズ感や手に取った時の
厚み、重さ、ぽってりした形。
店頭で実際に器に触れながら、
そして自分たちの設計した建物で
買い物する幸せをかみしめながら、
舞い上がってたくさん購入しました。
定期的に新しい商品に入れ替わるそうなので、
行くたびに楽しい出会いがありそうです。
今回、新しい大きなガス窯が据えられました。
最大の仕事道具ともいえるこの窯が、
新たな工房の主(ヌシ)のようにも見えます。
この窯で、これからもたくさんの素敵な工芸品が
焼かれるのだろうと思うと愉しみです。
雲石窯の焼き物がたくさんの
人の手元に届きますように。
有田梨沙子