Taichi Nishishita
Architect & Associates
日々のこと

伊丹十三記念館|収蔵庫特別公開

2019.03.02

私の大好きな建築の一つに伊丹十三記念館というのがあります。何か設計に悩むことがある時は、ふらりと立ち寄り、中庭やカフェでぼんやりと考え事をします。頻繁に行くため、年間パスポートを持っているのですが、会員限定で普段非公開の収蔵庫の公開がされたので、行ってきました。

私が伊丹さんを知ったのも、この記念館を私が大好きな建築家・中村好文さんが設計したから。それ以降、伊丹十三ファンにもなりました。収蔵庫のご紹介はできないので、ここでは一般公開されている部分をご紹介したいと思います。

緩やかな下り坂のアプローチ。ある世界に入っていくという感覚や期待が膨らみます。

ガラスの仕切りを敢えて迂回させるアプローチ。ガラスの反射で中庭がはっきりと見えないまでも、その見え隠れする曖昧さに更に期待が膨らみます。

中に入るとパッと開ける中庭。安心感と解放感。

展示室の入り口のドアは伊丹さんの顔が切り取られるように一部が透明ガラスになっています。なんとも伊丹さん、中村さんらしい演出。

やや薄暗い展示室を抜けたあと、パッと開ける中庭。記念館に最初に入った瞬間の印象がリフレインされ記憶が繋がります。展示を見た後の余韻を静かに堪能できる、静かな場所。

私はこのシークエンスがとても素晴らしいと感じています。建築そのものはそんなに突飛な形でもないし、さりげないのですが、鑑賞者の心の動きを丁寧に捉え、設計されていることが伝わります。

「建物そのものが目立つことなく、人の心に寄り添った建築」

私の目標の一つでもあります。
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