Taichi Nishishita
Architect & Associates
日々のこと

意志は持ちながら、不確かさを受け入れる

2019.08.29

うず高く積まれた原板の中から選木。今回は奄美大島の琉球松。自分自身で木の重みを感じ、汗を流して、素材と向き合い、墨付けをします。偶然にも材木屋の家系に生まれ、このような機会に恵まれていることに感謝。

選ぶとは言え、結局は製材してみないとどのような木目が生まれるかは分からない。しかしその不確かさこそ美しさだと思う。デザインの意図も大切だが、自然の不確かさを受け入れ、一期一会の出会いに感謝することも大切。

現代の建築はともすれば「なんでもできる」という感覚に陥りがちだ。あらゆる設備や技術を用い、自然を捻じ曲げることもできるかもしれないが、そこにはどうしても不自然さが付きまとう。

例えば木目「調」のプリントされたシートなどが正にそう。木材の反ったり、縮んだりを人為的にコントロールしようとした結果だが、あまりにも不誠実だと思う。

大らかな心で自然を受け入れた方が、結局は心が豊かになっていくはずです。

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