伊予横田の家
House in Iyoyokota
2024


















40代夫婦の2人のための延床19坪のちいさな家。
クライアントからの具体的な要望はほとんどなく、
全幅の信頼を寄せて頂き、自由に設計をさせて頂いた。
具体的な要望はなくとも、
大切にしている感性が伝わるお人柄。
やはりクライアントに導かれるように自然と家は成った。
家づくりも情報に溢れる昨今のなか、
刹那的な願望に惑わされず、
本質のみに優しく目を向けるクライアントの姿勢には
静かに心を打たれるものがあった。
できた家も何か特筆すべき
強い特徴があるわけではない。
しかし、僕はこの家が心から大好きである。
自分のこれから進むべき道を
クライアントに示して頂いたように感じている。
「すごい」ことと「良い」ことは
必ずしも、一致しない。
僕はすごくて、かっこいい建築を
つくりたいわけではない。
「良い」建築をつくっていきたいのだ。
では、「良い」とはなにか。
飛び出し過ぎず、引っ込みすぎず。
願い過ぎず、無頓着でもない。
そういう素朴で凛とした建築を
僕は「良い」建築であると感じている。